むかちん歴史日記494 戦争に翻弄された人々④ アナタハンの女王~比嘉和子
新宿から歴史を発信!!!むかちんです(≧▽≦)
今日は、戦争に翻弄された人々シリーズの第4弾!!!
比嘉和子(1924-1974)
を紹介します(*^▽^*)
参照元 https://showa-g.org/men/view/356
1938年に出稼ぎの兄を頼ってサイパン島へ渡り、1940年に夫・正一と結婚。
1944年正一は南洋興発の社員で、サイパン島からアナタハン島へ転勤となり、ヤシ林を経営していました。
島にいる日本人は和子と夫、そして夫の上司の3名のみでした。
太平洋戦争の末期、サイパンも激戦地となりつつあり、夫はアナタハンの北にあるパガン島に住む妹の身を案じて、迎えに行くと言い残し出かけたまま消息を絶ちました。
夫が出かけて2日後に、アナタハンも米軍の空襲に遭い、上司と和子はなんとか逃げ延びますが家が一面焼け野原になります。
和子は上司と2人で生き延びる必要があり、実質的な夫婦生活が始まります。
同時期に徴用船3隻が爆撃を受けて沈没、海軍兵士と陸軍兵士ら31人がそこに加わり、
ここから男32人と女1人という状況が始まります。
そして彼らは共同生活をしていくうちに唯一の女性である和子をめぐって、男たちが争うようになり、次々に変死、行方不明となっていきます。
1945年、日本が敗戦し、アメリカ軍はまだこのアナタハンに日本人が残っていることを知ると、日本の敗戦を知らせるために拡声器やビラを使いますが、誰一人としてそれを信じずに島を離れようという者もいませんでした。
1946年、彼らは島内に墜落したボーイングB-29の残骸を発見、そこで2丁の拳銃を手に入れたことによって、この銃こそが権力の象徴となり、公然と殺し合いが始まります。
和子と当初から共にしていた夫の上司も変死を遂げます。
しかし、このままでは事態は収束しないということで、島にいる人間で会議が開かれ、銃は海へと捨てられました。
しかし、その後も4人が謎の死を遂げます。
男たちはついにすべての元凶は和子にあり、和子を処刑するという結論に達しますが、
男たちの中の一人が和子に素早く連絡し、和子を逃がします。
33日間逃亡し、1950年、命からがら逃亡し、沖にアメリカ船がいるのを発見すると必死に呼んで、なんとか和子は救い出されました。
孤島でも6年の間に13人もの男が亡くなる、もしくは行方不明となりました。
和子はアナタハンで起こったことを詳細に伝え、男の家族たちは手紙を送るなどしましたが、誰一人として終戦を信じようとするものはいませんでした。
しかし、一人の男が投降したのをきっかけに1951年には生き残った19人が救出されました。
帰国した和子たちですが、和子含めなくなったことになっていたので、和子の夫も他の男たちの妻も多くは別の人と再婚しているという事態に直面します。
(消息を絶った和子の夫はとっくに帰国していました)
比嘉和子をめぐって、殺人や行方不明事件が起きたことが発覚すると、マスコミに大々的に取り上げられ、「アナタハンの女王」「男を惑わす女」などと叩かれました。
そしてこの事件は映画化もされ、一大ブームとなります。
和子はマスコミに追われるようになり、沖縄カフェ経営をしていましたが、これを畳み、浅草でストリップの舞台に立ちますが、再び沖縄へ戻ります。
そして沖縄で結婚し、たこ焼き屋を営みながら余生は静かに迎え、1974年、49歳で他界します。
むかちん