むかちん歴史日記339 子どものときにランチ休憩で読んでいた児童文学の作者たち④ 世界的作家でありながらフィンランドでは画家としても活躍~トーベ・ヤンソン
新宿から歴史を発信!!!むかちんです(≧▽≦)
今日は、子どものときにランチ休憩で読んでいた児童文学の作者たちシリーズの第4弾!!
『ムーミン』が世界的に有名となり、母国フィンランドでは画家としても活躍した
トーベ・ヤンソン(1914-2001)
を紹介します(*^▽^*)
◆トーベ・ヤンソンは1914年にフィンランドの首都、ヘルシンキで彫刻家の父とグラフィックアーティストの母という芸術一家に誕生します。
ヤンソン一家はフィンランド人お御多分の漏れず、夏になると自然豊かな郊外のサマーハウスで過ごす生活を送っていました。
芸術家一家で育ったヤンソンでしたので、
芸術方面の仕事に進むというのは当たり前のことになっていました。
彼女はわずか15歳のときに、雑誌やポストカードのイラストレーターとして収入を得ながら、
10代後半はストックホルムで商業デザインを、その後ヘルシンキで美術を学び、
20代になるとフランスやイタリアにわたって絵画技術を習得していきました。
帰国後は油絵の個展を開く一方で、イタリアで学んだフレスコ画の技法でヘルシンキ市庁舎などの公共建築の壁画なども描き、フィンランドでは画家としても有名になります。
下記はもともとは銀行の壁画でしたが、現在は美術館に収められています。
https://www.moomin.co.jp/news/overseas/18215
◆ムーミンの誕生秘話にはヤンソンの幼いころの体験がありました。
ヤンソンは工芸専門学校に通っていた10代のころ、寄宿先で夜中に台所でつまみ食いをしていると、寄宿先の叔父さんに
「レンジ台のうしろには、ムーミントロールといういきものがいるぞ。こいつらは首筋に息を吹きかけるんだ。」
と語りかけます。
幼いヤンソンにはこれが恐怖の体験のようなものだったようで、深く心に刻まれます。
1939年、第二次世界大戦が勃発し、フィンランドもソ連の侵攻によって、否応なく巻き込まれるていくと、ヤンソンは実名を記載して政治風刺雑誌「ガルム」に独裁者たちの風刺画を描き続けます。
このときに横に描いていたのが、当初のムーミンのモデルで、10代の頃、弟と口喧嘩に負けて、トイレに落書きした鼻の長い怒った生き物でした。
そして1945年、終戦を迎え、世に送り出されたのが、ムーミンの第一作『小さなトロールと大きな洪水』です。
ムーミン母子が失踪した父を探すストーリーです。
第一作は商業的には決して成功はせず1991年まで本人の意向もあって絶版状態になってしまいました。
しかし、ヤンソンは執筆は継続し、1948年『たのしいムーミン一家』はフィンランドとスウェーデンで大きな評判となり、それが英訳されるとイギリスの読書人たちの心もつかんでいきました。
さらに当時世界最大部数を誇るロンドンの「イブニングニュース」で1954年から漫画掲載が始まると、一気にムーミンの人気は拡大し、ヤンソンの国際的な作家としての地位は不動のものとなるのです。
このムーミンブームは画家であることを自負していたヤンソンを苦しめます。
画業をすることができなくなっているのは、ムーミンのせい・・と考えるようになってしまいます。
そんなときに生涯を共にするフィアンセと出会い、向き合い直しました。
それが色濃く表れているのが『ムーミン谷の冬』でした。
1957年に出版されると、数多くの文学賞を受賞する作品になりました。
1959年、ヤンソンは漫画連載を末弟のラルスに引き継いで、画業に時間を割くようになります。
ただし、断続的にムーミンの小説シリーズは作られ、1966年には児童文学界の最大の栄誉である国際アンデルセン賞を受賞します。
1970年、『ムーミン谷の十一月』で、小説シリーズの完結を宣言します。
ただ、ムーミンの物語は終わることはなく、絵本、舞台、実写など、様々なかたちでムーミンは制作されます。
1971年と1990年には日本でのアニメ化にあたって来日。
そして最後の短編集である『伝言』を1998年に執筆します。
2001年、ヘルシンキで逝去します。86歳でした。
◆スナフキンの名言
https://www.moomin.co.jp/character/snufkin
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大切なのは、自分のしたいことを、自分で知ってることだよ。
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あんまり大袈裟に考えすぎない様にしろよ。何でも大きくしすぎちゃ駄目だぜ。
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みんなに騒がられて、偉くなったように思ってはいけないよ。
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おだやかな人生なんて、あるわけがないですよ。
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人の目なんか気にしないで、思うとおりに暮らしていればいいのさ。
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何か試してみようって時にはどうしたって危険が伴うんだ。
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眠っているときは、休んでいるときだ。春、また元気を取り戻すために。
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僕は自分の目で見たものしか信じない。けど、この目で見たものはどんなに馬鹿げたものでも信じるよ。
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生きるっていうことは平和な事じゃないんですよ。
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運命のドアも玄関のドアも開ける鍵穴は小さいものだよ。
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むかちん