むかちんの歴史日記

歴史大好き男による歴史のあるあるやトリビアを綴る日記★

むかちん歴史日記349 旅行でみかける歴史的建造物にまつわる人のヒストリー日本編④ 原爆平和祈念公園を設計した世界的建築家~丹下健三

新宿から歴史を発信!!!むかちんです(≧▽≦)

 

今日は、旅行でみかける歴史的建造物にまつわる人のヒストリー日本編の第4弾!!

 

原爆平和祈念公園も設計した世界的建築家

 

丹下健三(1913-2005)

 

を紹介します(*^▽^*)

 

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参照元 

https://showa-g.org/men/view/234

 

丹下健三は1913年に大阪府堺市で誕生します。

住友銀行に勤めていた父の転勤で上海に一時居住し、その後は愛媛県今治市に移り住みます。

 

1930年に旧制広島高校、現在の広島大学の理科甲類に進学し、

同校図書室で見たル・コルヴィジエの記事を見て感銘を受け、

建築家を志すようになります。

 

1933年、1934年にわたり東京帝国大学の受験に2度失敗。

徴兵逃れのため、日本大学芸術学部映画科に在籍しますが、ほぼ登校せずに終わり、

1935年、東京帝国大学工学部建築科に入学します。

 

1939年に雑誌『現代建築』に論文を発表し、1941年には岸記念体育館(初代)を設計しますが、彼の名を一躍とどろかせたのは、大東亜建設記念営造計画と在盤谷日本文化会館計画の両コンペにおいてです。

 

その計画はヒューマンスケールをはるかに超えたものであると同時に

横山大観風を思わせるパースペクティブが人々に深く印象を与えました。

 

1945年8月6日、父危篤の連絡を受け、帰郷の途で広島県尾道市にいました。

しかし、実はすでに父は亡くなっており、母も広島への原爆投下と同日の今治への空襲で亡くなっていることが判明。

 

原爆投下によって壊滅的な被害を受けた広島は、丹下にとってはコルビュジエと出会った思い出の地でもあり、

残留放射能の危険もありながら、彼は復興計画へ参画していきます。

 

そして広島市主催の広島平和祈念公園計画のコンペで見事1位となるのです。

 

 

当初平和祈念資料館は批判も受けました。

1階が柱だけのピロティになっていたことが無駄だと解釈されたからです。

 

しかし丹下は多くの人が往来することを予測し、このかたちにしました。

それは現実のものとなり、多くの人がここから慰霊などのために行き来するようになります。

 

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参照元 

https://www.ohkaksan.com/2014/03/13/%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%B9%B3%E5%92%8C%E8%A8%98%E5%BF%B5%E8%B3%87%E6%96%99%E9%A4%A8%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%82%8B/

 

 

平和記念碑です。

これも意図された場所に作られています。

 

じつはこれ、記念碑の向こう側に原爆ドームが見えるように作られているのです。

 

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https://www.ohkaksan.com/2014/03/13/%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%B9%B3%E5%92%8C%E8%A8%98%E5%BF%B5%E8%B3%87%E6%96%99%E9%A4%A8%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%82%8B/

 

丹下は原爆ドームは原爆投下の象徴と考え、祈念公園から原爆ドームが見えるように作ったのです。

 

当時、原爆ドームに関しては多くの議論がありました。

 

「復興にそぐわない」「役に立たない」「経済的でない」「戦争を思い出すからなくしてくれ」・・・。

 

丹下は残すべきであると主張していました。

 

結局この原爆ドームは残ることとなったのですが、

現在は文化遺産として、保存されています。

 

一廃墟であった原爆ドームにスポットをあて、都市計画に組み込んだのは、丹下の功績と言えます。

 

丹下もその後も建築と同時に都市計画にも注力し、

1964年の東京カテドラル聖マリア大聖堂

東京オリンピック国立屋内総合競技場(正式名称:国立代々木屋内総合競技場)において、彼自身の建築歴で頂点を極めることとなります。

 

1987年には建築のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞。

 

1991年には東京都庁第一庁舎を設計。

 

生涯、建築に情熱を注ぎ2005年の3月22日、亡くなります。

91歳でした。

 

むかちん